国産ビンテージジーンズ①

以前にもこの書庫で国産第一号ジーンズ「CANTON」のことを書いたんですが、ネットで色々と調べてみると、どうやらこの手のジーンズは「国産ビンテージジーンズ」と呼ばれるジャンルらしいです。
米国製のリーバイスに代表されるような、中にはン十万もするような物がある「ビンテージジーンズ」とは違い、頭に「国産」の二文字が付いてるわけで、つまり日本製というわけなんですが、もうひとつ「国産オールドジーンズ」と呼ばれるジャンルもあり、なんかややこしいですね。
両者の違いはどこかというと、前者は米国製のデニム地やジッパーなど、素材は100%米国製を用い、日本国内で縫製されたもので、後者は国産デニム地やYKKのジッパーなど、国産素材を用いて日本国内で縫製されたものです。

昭和38年ごろに繊維の輸入が自由化され、それまでは製品として輸入するしかなかったジーンズを、デニム生地を輸入して国内生産できるようになったんですね。
そして、昭和40年代中ごろに国産デニム地が製造され始めるまでの数年間に製造された前者が、今回ご紹介する「国産ビンテージジーンズ」と呼ばれるものです。

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現在私が所有している国産ビンテージのCANTONCANTON Ⅹ WESTです。
上段は紙ラベル付きの新品で、下段の使用中の物も全て新品から穿きこんだものです。
両者の違いは過去記事http://blogs.yahoo.co.jp/kitanotamotu/folder/1027179.html?m=lc&p=2をご覧ください。
下に敷いてあるのはCANTONの名称の由来ともなった米国CANTON社のデニム地の原反で、約7メートルの長さがあります。

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これが米国製素材を用いて製造された国産第一号ジーンズで、大石貿易という会社が企画し、岡山のマルオ被服が縫製を担当しました。
マルオ被服はその後社名をビッグジョンと改名し、ジーンズを自社で企画製造をするようになり、国産ジーンズの牽引役となりました。

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Lotナンバーは4種類ありますが、カッティングは全く同じで、ステッチ糸の色の違いぐらいしか見受けられません。

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ジッパーはTALON社の42、 コインポケット裏にも「耳」の部分が使われています。
内タグには生地が米国製であることが誇らしげに表示されており、当時の舶来志向をうかがわせます。
リベットはCANTONの刻印の入ったスコービル社のものが使われています。

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アウトシームの「耳」にも何パターンかあります。




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