くろがね四起

よみがえれ「くろがね四起」 世界初の小型四駆 静岡

2014.4.4 02:17
 ■御殿場のNPO法人、復元目指す

 昭和初期に日本が世界で初めて開発した小型四輪駆動車「くろがね四起(よんき)」が、京都市内の自動車修理工場で奇跡的にほぼ原形をとどめた状態で見つかり、車両を入手した御殿場市NPO法人が復元を目指して展示や募金などの活動を始めている。NPO法人は「日本の貴重な技術遺産。ぜひとも復元し、再び走らせたい」としている。(岡田敏彦)

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 ◆京都市内で発見
 くろがね四起は、正式名称「九五式小型乗用車」。東京都にあった自動車メーカー「日本内燃機」の創業者で技術者の蒔田鉄司氏が昭和9年に開発した。第二次大戦終結までの約10年間に約4500台が生産され、軍用車として旧陸海軍で使用された。
 「四起」とは四輪駆動のことで、当時は極めて高度な技術を要したという。小型車での量産化はくろがね四起が世界初で、有名な小型四輪自動車「ジープ」の原形である米国製「バンタムBRC」より約6年も早く誕生した。
 これまで世界で現存が確認されたのはわずか3台で、国内には石川県の日本自動車博物館に残るトラックタイプの後期型1台だけ。今回見つかった4台目は乗用車タイプの初期型で極めて貴重だ。

 NPO法人「防衛技術博物館を創る会」の理事を務める元日大准教授で作家の三野正洋氏(71)が発見。くろがね四起の模型を制作した「田宮模型」(静岡市)から、京都市上京区の自動車修理会社「日工自動車」で現存車を取材したとの情報を得たのがきっかけで“幻”の車と出合ったという。

 日工自動車の永田雄三社長(75)に問い合わせると、永田社長は同会の小林雅彦代表理事(43)の父、森造氏(68)と旧知の仲だったことが判明。一気に話が進み、「復元してもらえるなら」と貴重な実車の無償譲渡が決まった。
 ◆支援を呼びかけ
 永田社長によると、日工自動車がかつて日本内燃機のディーラーをしていた縁で車を入手。「中国北部から持ち帰ったと聞いている。昭和29年ごろに手に入れ、乗り回しました。戦前の車なのに、斬新な設計に驚いた」と振り返る。
 車は、同会が昨年秋に御殿場市内の自動車修理工場に移送し保管しており、三野理事は「ボディーはサビが出ているが、エンジンはかなり状態が良い。整備すれば動くと思う」と夢を膨らませている。

 復元費用を約1千万円と試算。インターネットを通じて不特定多数の人に小口で資金を募る「クラウドファンディング」を活用して支援を呼びかけており、車の一般公開も予定している。活動や寄付の詳細については「https://readyfor.jp/projects/kurogane4ki」を参照。


以上は産経新聞からの転載記事です。
不覚にも世界初の小型四駆が、この「くろがね四起(よんき)」とはまったく知りませんでした。
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上の画像は石川県の日本自動車博物館に展示されているもので、後記型となりますが、今回発見され、そしてレストアされるものは初期型です。
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現在はこのような状態で、外装もかなり腐食が進んでいるのがわかります。

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トランスミッションが室内に大きくせり出してるのがわかります。

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空冷Ⅴツイン1400ccのエンジン部です。
ロッカーアームがむきだしになっていますね。

私はてっきりジープが最初の小型四駆と思っており、軍の正式採用にはならなかったものの、国産では三菱のPX33が最初と思ってました。
当時の技術者の情熱を感じるこの車、ぜひとも蘇ってほしいものです。