肉じゃがとカレーライス

先日、私のブログに出没する荒らしのオラこと、埼玉のやっちゃんから肉じゃがの画像が届きました。
なんでも仕事場のストーブに鍋をかけて昼食用に仕込んだとのこと、なんともマメな男である・・・
やっちゃんの力作の肉じゃが、最近不相応な一眼レフを買ったらしいが、見ての通りのピンボケです。
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二枚目画像はうちの家内が作った肉じゃが。
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さて、この肉じゃがなる料理、「お袋の味」の代表格と言っても過言ではなく、日本全国に普及しているわけですが、この二枚の画像でもお解かりいただけるように東西で使用する肉が違うんですよね。
概ね西日本は牛肉、東日本は豚肉に分かれているようですが、その境界線はどの辺りなんでしょうね?
関西では食材においての「肉」とはあくまで「牛肉」を指し、豚肉はあくまで「豚肉」もしくは「豚」と言い、関西で生まれ育った私にとって、豚肉で作る肉じゃがが存在することを知ったときはかなり驚きました。

で、肉じゃがの歴史は明治時代に遡るんですね。
日露戦争の「日本海海戦」でロシアのバルチック艦隊をいてこました東郷平八郎元帥が、イギリス留学時に食べたビーフシューを元に考案した軍隊食、今風に言えば「ミリメシ」らしいんです。
言われてみりゃ糸こんにゃく以外はほぼ同じ材料ですし、冷蔵庫の普及してなかった時代でもあり、日持ちする根菜類、大量に作れるなど、メリットは大きかったんでしょうね。
ビーフシューが原型ですから、使用する肉は本来は牛肉なんでしょうが、そこは地域性や好みの問題でしょうね。
「肉じゃが」とは戦後についた名前らしく、昭和12年発行の「海軍厨業管理教科書」には「甘煮」としてそのレシピが載っているようです。
この「甘煮」を食べた兵隊が退役して故郷に帰り、その味を広めたために急速な勢いで全国に普及したようですね。
同じような理由で全国区になった料理の代表格はカレーライスで、これもやはりイギリスの影響らしいです。
日本のカレーはインドではなく、イギリスを経由して入ってきた食文化なのですが、カレー=インドの印象が強いのは、恐らく「メタル印度カレー」の『インド人もびっくり!」のCMの影響のようです。
実際はインドのカレーと日本のカレーは似ても似つかないものですからね。

画像は旧帝国海軍のカレーライスを再現したものです。
ワールドフォトプレス社「続・ミリメシおかわり!!」から拝借しました。
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カレーライスも肉じゃがとほぼ同じ食材で調理できるのですが、やはり当時のレシピには「牛肉」と明記されているようです。
恐らく民間に普及する段階で、関東地区で手に入りにくかった牛肉の代用品として豚肉が使用され、関東独特の「ポークカレー」が誕生したようです。
しかしこうして見ていけば、軍隊という存在が日本の食文化に大きく貢献しているのがわかりますね。

おまけです。
南北戦争当時の南軍のミリメシ、コーンブレッドとフライドチキン。
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おまけのおまけ、肉じゃがを食うやっちゃんです。
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