スジコン焼き

お好み焼きと一口に言っても、関西だけでも大きく分けて大阪・神戸・京都の三つに大別され、さらにその中でも地域性によって微妙に違いがあります。
例えば、大阪でも中心部と河内地域と泉州地域、兵庫県でも神戸と尼崎と姫路、さらには日生(ひなせ)など、より細分化されるのです。
具材も地域によって特徴があったり、ソースもご当地ソースが存在し、店によっても焼き方やレシピが違うのです。
そんな環境で育った生粋の関西人の私は、全国展開しているようなチェーン店に入ることはまずありませんし、ましてやお好み焼きともんじゃ焼きの両方を出すような店は、例えて言うなら蕎麦とパスタの両方をやってるようなもんで、これは論外です。
あ、決してもんじゃ焼きを貶してるのではないですよ。
もんじゃ焼きは東京の下町のソウルフードでもあり、江戸っ子からすれば「お好み焼きと一緒に焼くんじゃねえよ!」となるでしょう。
要はそれを供する料理人のセンスというか、店の側に問題がありますね。

さて、今回ご紹介するスジコン焼きは、関西のお好み焼きでもかなりディープな部類に入ります。
主に神戸を中心として西は姫路辺りで人気のあるメニューで、大阪ではあまりみかけません。
牛のスジ肉とコンニャクを細かく刻んで、醤油と砂糖で甘辛く煮つけたものをお好み焼きの具材として使用します。
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元々神戸やその周辺の地域は、有名な「神戸牛」をはじめ、全国でも有数の牛肉消費地のため、上質のスジ肉が安く手に入り、それを美味しく食べるための調理技術が発達しました。
神戸長田辺りの「ぽっかけカレー」や「ぼっかけうどん」もこのスジコンを使っています。

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煮つけた段階で十分に柔らかくなっていたスジ肉が、さらに生地の中で蒸し焼きにされることによってトロトロになっています。
コラーゲンたっぷりのスジコン焼きには、神戸の地ソースが相性抜群で、さらに七味や一味、辣油なんかも合います。

今年のうな研のオフ会でお好み焼きが好評でしたが、あの時は単なる「豚玉」、言わばお好み焼きの王道、超スタンダードです。
次回のオフ会ではこのちょいとディープなスジコンをやろうと考えてますが、うな研のメンバーのみなさん、いかがでしょうか?