浦島太郎

私はオーディオマニアではないので、日頃は今のオーディオ事情には特に関心が無く、世の中の状態がどうなってるかを全く知らなかった。
オーディオマニアでないとはいえ、世代的には日本のオーディオ全盛期の頃に青春時代を送っているので、自分なりの好みや拘りはあるわけで、サンスイのアンプやスピーカーを愛用してきた。
そのアンプが壊れたので、一時は修理も考えたが、山水電気そのものが今は消滅しており、ネットであれこれ調べて、修理できるところも見つけたけど、コストやこの先のことを考えると、適当なシステムコンポと買い替えるのもええかと思い、電気量販店に行ってみた。
すると、なんとも寂しい状況で、広い売り場の隅っこに申し訳程度の数の商品が展示されている。
それもミニチュアサイズというのかブックシェルフさいずというのか、とにかくしょぼい物しかない。
価格帯も1万円台からせいぜい5万円前後。
デモ機で音出ししてた機械の前に立ってみて、音量を上げてみたけど、なんと貧弱なこと・・・
いや、音質自体は決して悪くは無いんやけど、所詮は弁当箱ほどのサイズのスピーカーやから、迫力や厚みがない。
店員に、他の機械を視聴させてくれと言うと、「あ、現在はこれしか配線してないんです」
私は驚いて「あ、あのなあ、オーディオは見て楽しむもんやないやろ、聴いて楽しむもんやのに、視聴でけな展示してる意味が無いやろ」
店員は「あ、はぁ・・・ 申しわけありません・・・」
このやる気のなさに、この店には見切りをつけて別の量販店へ。
次の店では、展示点数はやや少なめであったが、全て視聴可能状態。
で、5機種ほど聴いてみて、やはりドングリの背比べ。
そして多くの機種がBluetoothだUSBだ酢だコンニャクだと、スマホや携帯オーディオとのリンクを謳っている。
私にとってはどれも不要の機能で、まったく買う気にならん。
店員曰く、昨今はオーディオは二極化してて、量販店で扱うのはせいぜいこのクラスまでで、それ以上は一気にハイエンドオーディオの領域に入るらしい。
つまり、私のような中途半端な音楽好きが欲しいミドルレンジの商品は無いらしい。

大阪の日本橋電機屋街には昔から多くのオーディオ専門店があるが、そこそこの音で満足できる私の耳では、そんな専門店に行かずとも、30年ほど前なら近所の量販店で適当なものが必ずあった。
それが今ではこの変わり様・・・
正にオーディオ浦島太郎です。

帰宅して、ネットであれこれ調べてみたところ、なるほど・・・
オーディオの世界は私が知らん間に大きく様変わりしとるんですね。

別にクラシックやジャズをガンガン聴くわけでもないんで、そこそこの音質と心地よさがあればええんで、適当なプリメインアンプと、それと相性のええスピーカーやCDレコーダー。
日本橋の専門店のサイトとかを見てみると、なんとか揃いそうです。
この際やから真空管アンプなんかも候補に入れて、次に大阪に行った時に実際に視聴してみて、好みのもんを探してみよと思うてます。