驚異の回復ぶり②

さて、前記事でお伝えした通り、数々の幸運や偶然が重なり、最悪の事態を避けることが出来たのですが、私や息子にとっては血の気が引くような思いでした。
大急ぎで入院の手続きや、必要な物の買いだしを済ませ、気が付けば夕方になっていました。
家内はベッドで苦しげに寝ています。
そんな患者にもちゃんと夕食が出るのには驚いたのですが、もっと驚いたのが、家内が「お腹が空いた」と言って起き上がったことです。
私が「食べれるんか?」と聞くと「しっかり食べて早よ治さな・・・」と言います。
左半身が完全に麻痺しており、私が口元にスプーンで運ぶのですが、顏の左側も麻痺しているため、口からこぼれてしまいます。
すると家内は「自分で食べるわ」と右手でフォークを持って食べだしました。
因みに家内は左利きなので、右手ではやや食べにくそうですが、それでも自分で口元の加減が出来るので、私がやるよりも上手に食べます。
3分の1ほどを食べ、そのあと歯磨きまで自分でやりました。
倒れたその日にここまで出来るものかと驚いたのですが、それはほんの序章に過ぎませんでした。
面会時間が8時で終わるため、私と息子は帰宅したのですが、翌朝に病室を訪れた時には左足が屈伸できるようになっており、左の口角もやや上がり始めています。
10時過ぎに大阪から家内の継母が半狂乱で駆けつけたのですが、そのころには左肩が動くようになっていました。
昼食をとるために継母と外出したのですが、その間に静岡の友人が見舞いに来てくれたようで、それを本人が私にLINEで知らせてきました。
脳出血で倒れて24時間ほどでLINEが出来るほどに急回復しているのです。
もちろん、急性期における回復は誰しも速度が速いようですが、家内の場合は看護師も驚くほどで、その翌日には、私が家内の左足の指をマッサージしているときに急に指が動き出しました。
まるで接触の悪かった電気部品がいきなり通電したかのようで、これには駆けつけた看護師もびっくりしていました。

仕事が繁忙期に入っていることもあり、本日はここまでにしておきます。
次回は入院当初の不思議な出来事について書きますね。