開けてんねん!

先日の県民ショーの中で、ズボンのチャックが開いてる時の東西の受け答えの違いをやってました。
東京では、相手のズボンのチャックが開いてた場合、実に言いにくそうに「あ、あの・・・ チャック空いてるよ・・・」と伝え、指摘された方も「あ、こりゃどうも・・・」と恥ずかしそうに、実にバツの悪い表情で、なんとも気まずい雰囲気がその場を支配します。
対して大阪は、「おい、お前チャック開いとるやんけヽ(^o^)丿」
指摘された方は「開けてんねんヽ(^o^)丿」と答えます。
これは大阪を中心とした関西では割と当たり前の受け答えで、さらに男女ともにこの傾向にあります。
「開けてんねん」の後に続くセリフとしては「風通し良おせんとな♪」とか「換気や♪」 さらに親しい間柄なら「チ○コがでこうてチャックしまらんのや♪」などがあり、女性から指摘された場合には「上げて~」と相手に下半身を突き出す場合もあり、その場を笑いが支配します。
また、口の横やほっぺたにご飯粒がくっついているのを指摘されても、「後で食べるんや」とか「お前の為にとっといたんや」とかは当たり前に言います。
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これらのやり取りは、一見実に品の無い会話に聞こえますが、これは関西人特有の精神構造からくるものなのです。
指摘する側は相手に対してズバッと伝え、指摘された側も、本来は言いにくいことを伝えてくれた相手に対し、「ボケ」で返してその場の雰囲気を壊さない。
特に、待ち合わせしていて、会った途端にこのやり取りが交わされることによって、その瞬間に一気にお互いの気持ちが溶け合うわけです。
このように会話のベースには全て「笑い」が存在し、お互いへの思いやりや自らの照れ隠しにこの「ボケとツッコミ」を実に見事に使いこなします。

そして、これも同番組の中でやってたのですが、大阪人は平気で相手の給料の額を聞きます。
合コンで女性が男性に聞くのは当たり前で、友達同士ならお互いの年収はほぼ知っていますし、自ら言うこともしばしばです。
番組の中で、東京と大阪で街頭インタビューで給料の額を聞いていましたが、東京では答える人は皆無。
対して大阪は、「総額○○円で手取りは○○円や」とか「年収で○○○円や」とか実にざっくばらんです。
ま、これはテレビ番組なので編集や誇張もありますが、それでも傾向としてはこのような違いがあるのは私も実感として持っています。
東京では給料額を知られるのは「値踏みされるようで嫌」と言う人が多いようですが、逆に関西ではそれを知ること、または知らせることによって、割り勘で行く店のグレードを決めたり、収入の多い方がおごったりとかの判断基準にもなり、付き合う上での相手への気配りの参考材料として活用するのです。
決して下世話な気持ちで相手の懐具合を知ろうとしているのではなく、いわゆる「ぶっちゃけた話」「腹を割った付き合い」っちゅうやつで、見栄や体裁よりも実質を重視する関西人の本質みたいなもんです。
ただ、これを関西人が地方でやると、他人の気持ちの中に土足でズケズケと入ってくると勘違いされ、あちこちで誤解を生むことになるんですけどね・・・

静岡に住んでもうすぐ3年目、こちらの方はやはり関西人とは大きく異なり、よほど打ち解けないと自分のことは話してくれません。
対して骨の髄まで関西人の私は、初対面の人であれ、自分の生い立ちから境遇まで何でも話します。
別に知られて困るようなこともないし恥ずべきこともないので、お互いを理解し短時間で打ち解けられるように自然とこのような言動になるのが関西人の特徴なのですが・・・^_^;

関西人は普通の会話の中にも冗談を織り交ぜる癖があるので、これも地方ではなかなか受け入れてもらえません。
以前、富良野の駅前のレコード屋で、当時全国的に品薄であった宇多田ひかるのCDを見つけ、店の人に「やっと有ったがな~ 大阪から探し回って、ここまで来たんや」と言うと、店の人が本気にしてしまって、家内が慌てて取り繕っておりました^_^;
これに似たようなことは、この静岡でも日常茶飯事で、こうして見るとやはり大阪は特殊地域なんかなと思う次第です。