東電と原発さよなら

本日仕事をしていると大阪の友人から電話が入りまして、「あのなぁ、朝日新聞に関さんが出てるで」とのこと。
友人は朝日新聞を買いに行くように勧めてくれたが、わざわざ朝日新聞なんか買う必要はないので、「ネット版で見てみるわ」と伝えて電話を切った。
帰宅してから朝日のネット版を見てみると、懐かしい顔が写っている。
で、文章を途中まで読むと、「記事の続きをお読みいただくには会員登録手続きが必要です。」と書いてやがる。(-_-メ)
せっこいのう・・・ さすがはチョンイル新聞
仕方ないので会員登録しましたよ・・・ もちろん期間制限つきの無料会員やけど。

で、以下が記事の全文です。

(脱主流派宣言:6)東電と原発さよなら 小屋建て自給8年

電力会社と無縁の暮らしは、もうすぐ8年を超える。
 山梨県北杜(ほくと)市の森口直樹さん(46)と関麻実子さん(49)の朝は、まきストーブに火をおこすことから始まる。
七輪で野菜スープを温め、ラジオを聴きながら自家製ライ麦パンの朝食。窓から日の光が差し込み、約4メートル四方のこぢんまりとした小屋がゆっくり暖まっていく。
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2人は2000年に神奈川県相模原市から移住した。自分の家は自分で建てたい。住宅関連の職人をする直樹さんの夢だった。借家暮らしをへて雑木林に660坪の土地を購入し、03年に小屋を建てた。
 麻実子さんは「原発銀座」と呼ばれる福井県敦賀市で生まれ育った。地元にいるときは感じなかった原発への違和感は、大学時代のチェルノブイリ事故で生じた。故郷の立派な施設や道路は、住民が危険と隣り合わせに暮らすことで得られたものだったのか。
 「原発に頼らない暮らしができたらいいよね」。本やネットの情報を参考に、最低限の電力を供給する太陽光発電システムを組んだ。06年に借家を引き払い、以来、自給自足の電気で暮らす。
 昼――。小屋から10メートルほど離れた建築中の「母屋」で作業する。
 着工から8年。敷地内で伐採した樹木や解体された家屋の廃材を使い、建坪12坪を2人で少しずつ作り上げてきた。8割方できあがり、床板を張ったら今年中には生活の拠点をこちらに移す予定だ。もちろん、電気は引かない。
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 小屋での暮らしが5年を迎えようとするとき、東日本大震災が起きた。日本中が節電ブームに沸き返るなか、2人の暮らしぶりを学びたいという声が地元で上がった。
 「東電とさよならするためのステップ」。2人はそんな資料を作り、勉強会を開いた。
 《電気の使用量を極限まで削るのが肝心。なくてもすむ家電はドライヤー、テレビ、電子レンジ。炊飯器は鍋で代用できるし、電気ポットは魔法瓶で十分》
 実際、2人の周りにある電化製品といえば、照明とラジオにノートパソコン、携帯電話、脱水機能だけを使う二槽式洗濯機ぐらいだ。母屋の建設と畑仕事を中心に、まき割りやウコッケイの世話などで明け暮れる毎日。現金を得るため月に何日か、建築仕事などの手伝いに出るが、自分たちでできること、作れるものには極力、お金をかけない。
 しかし、勉強会をへて自家発電に踏み出した人はいなかった。麻実子さんはそれも仕方ないなと思う。「ここまでの生活はできないと思われたんでしょう。私たちも以前はそうだったから」
 神奈川県内のアパートで暮らしていたとき、身の回りは電化製品であふれていた。月5万円の生活費で田舎暮らしする人の雑誌記事にも、「私たちには無理」と思うだけだった。
 「私も給湯器とかじゃんじゃん使ってた。でも、なくても困らない程度の便利さだったって、今なら分かる。便利さに流されなければ、本当に必要なものって意外に少ない。でも、なかなか気づけない」
 夜――。オレンジ色の明かりが照らす小屋に、ラジオが都会の喧騒(けんそう)を運んでくる。ネオンもイルミネーションも、はるかに遠い。
 いま欲しいものが一つだけあって、録音機能のついたラジオなのだと、直樹さんが言った。夜中の番組を録音しておいて、昼間に聴くために。
 「でもまあ、すぐにはいらないかな」
 「だよね」
 2人で笑った。(松川敦志)


この関 麻実子さんとは、私の過去記事http://blogs.yahoo.co.jp/kitanotamotu/22958788.html?type=folderlistでも紹介しましたが、かつて日本を代表する女性オフロードライダーとして名を馳せた人物です。
私がこの二人の小屋を訪ねたのは4年ほど前になり、1か月ほど前にも電話で話したのですが、実に活き活きとした声が受話器から聞こえてきました。
心のどこかでこのような生活に憧れを抱いてはいるものの、いざやるとなると生半可な覚悟ではでけんことがよう解っているだけに、この生活を実践している二人には頭が下がります。
静岡に転居して距離的にも近くなったんで、近いうちに鮃でもぶら下げて訪ねてみようと思っています。