シラスウナギ激減②

テレビや新聞では相も変わらずシラスウナギ激減=うな丼が値上げ」みたいなピント外れの報道が続いています。
自分の足で探してきたネタではなく、共同通信あたりから配信されたネタや、ネットで探してきたネタを記事にしてるだけやからしゃあないですけどね。
以前の記事でも少し触れましたが、シラスウナギの漁季と接岸時期のズレ」を裏付けるような調査結果が出てきました。
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実は、この調査結果は、あるうな研メンバーが以前から知っていて、私たちうな研のメンバーの数名も耳にしていました。
実際、夜な夜なうなぎ釣りをしている全国のアホが集まるうな研です。
そのメンバーの数名が何年か前から「クダリの時期がずれてる」と感じていました。
クダリ=マリアナへ産卵に向かう親鰻のことで、体色や胸鰭の色で判断可能です。
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いちばん上がクダリです。 体色がメタリック色になり胸鰭が黒くなります。

定説的にはクダリの時期は8月ごろなんですが、何年か前から10月や11月にこのクダリがわりと釣れるのです。
となると、マリアナへの到着も当然遅れるわけですから、孵化後のシラスウナギが日本の沿岸に来遊してくるのも当然遅れます。

「それならシラスウナギ漁の時期を6月以降にずらせば良いのでは?」と考えるのは当然なんですが、ところがそれが簡単にはいかんのです。
何故かというと、養殖ウナギはその需要がピークを迎える土用の丑前後を最大の出荷時期としているため、6月や7月に獲れたんでは、なんぼ日本の養殖技術が優秀でも成長が間に合わんのです。
つまり出荷できるサイズに成長させるには半年ほどを要するので、例えば7月に獲れたシラスウナギを出荷できるのは1月ごろになるので、最も需要が落ち込む時期となるわけです。
「ほんなら、夏まで養殖池で待機させといたらええやん」と考えることもできますが、そうなれば当然エサ代やら温水ボイラー用の重油代など、コストがかかってしまいます。
つまり、現在の12月~4月の漁期は、養鰻の都合に合わせたものと言えるんです。
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上の画像がシラスウナギなんですが、自然環境下での生育速度は、だいたい5~6年かけて蒲焼サイズに成長するのですが、養殖は半年でそのサイズにするわけですから、鶏に例えたら正にブロイラーみたいなもんです。

で、なんで従来の漁期にシラスウナギが激減したか?
これはあるうな研メンバーが話していたことですが、この男は海洋生物とキャバクラに関してはうな研でもトップの知識の持ち主です。
彼が言うには
「12月から4月に来遊するシラスウナギを何十年にもわたって大量に獲ってたら、その遺伝子を持ったグループ、つまり8月前後に産卵に向かう親鰻が減少する。 で、それ以外の時期に下る遺伝子を持ったグループが生き残り、そしてそいつらが増える」

なるほど・・・ 実に的を得ている話で、これで我々が感じていた「クダリの時期のズレ」も説明がつきます。
しかし、彼はこんな話をキャバクラの姉ちゃんにもしてるんやろか・・・?\(◎o◎)/

ま、とにかく鰻業界も大変やし、それに伴って漁獲規制やその他の規制で我々のような釣り人も少なからず影響が出る恐れがあることには違いないので、今後も事態の推移を見守りながら「釣り人として何ができるか」を考えていくことにします。