CANTON国産第一号ジーンズ

先日の古いレコードや大阪万博グッズに続いて今回もなつかしネタです。

今では老若男女問わず当たり前になったジーンズですが、昔は一般的には「Gパン」と呼ばれ、東京オリンピックのころにはまだまだ「不良のはくもの」でした。
そもそも「Gパン」は戦後の混乱期に、アメリカからの救援物資の中古衣類の中に混じって輸入されたらしく、またスクリーンの中のJ・ディーンなどがかっこよくはきこなしているのを見て徐々に広まっていきました。
今回ご紹介するのは国産初のジーンズ「CANTON」
昭和30年代後半、繊維の輸入が自由化されたことにより、それまでアメリカ製のジーンズブランドのリーバイスラングラーを輸入していた「大石貿易」がジーンズの国産化に踏み切りました。
デニム生地からジッパー・リベット・縫製糸まですべてをアメリカから輸入し、リーバイス501をベースに日本人の体型に合わせたカッティングで昭和38年に国産ジーンズ第一号が誕生しました。
ただしこのCANTONブランドは商標権の問題などで短命に終わり、製造されたのは3年間ほど。
画像の紅白のラベルのものがそれです。
イメージ 1


私の所有するものがいつ製造されたかは判りませんが、新しくても昭和40年ごろということになるのでしょうか?

上段の左から3本は大石貿易からライセンスを譲り受けた別の会社が昭和50年ごろまで製造した「Ⅹ-WEST CANTON」と「CANTON Ⅹ-WEST」・・・・・?
ブランド名の表記が二種類存在し、どっちが正しいのか・・・・? ま、恐らく今よりもええかげんでおおらかな時代やったんでしょうね(^。^)

で、上段右端はCANTONの名称を使用できなくなった大石貿易が新たに立ち上げた新ブランドの「BIG STONE」・・・ つまり・・・ 大石・・・ヽ(^o^)丿

これらのジーンズは先にも書いたように、全ての素材をアメリカから輸入して、それを日本の優秀な縫製技術で仕上げたもので、品質に関しては同時代の本家アメリカ製よりも出来が良いように思います。
アメリカから見れば「猿真似」とも言えなくはないのですが、仕上げは実に素晴らしく、細かなところではアウトシーム内側の赤耳、ジッパーもグリッパーやTALON42、スコービルのリベットなどビンテージマニアが喜びそうなディティールも満載されております。
自動車やオートバイや電化製品と同じように、本家本元を上回る品質を目指した当時の関係者の情熱を随所に感じることが出来、コストダウンに血道をあげる昨今の企業姿勢とは眞逆のものを感じることが出来ます。