ウナギにまつわるウソや誤解②

さて、今回は「腹が黄色いのが天然の証し」について書いてみます。
よくテレビのグルメ番組や旅番組で、天然ウナギを扱う鰻屋で食事をするシーンがありますが、その際に「自称食通」のタレントなどが「腹が黄色いのが天然の証しなんだよ」と得意げに言ってます。
これは半分正解で半分は誤解を招く発言です。
知らない人が聞いたら、「それでは黄色くないのは養殖」と勘違いしますよね。
天然ウナギの腹の色が全て黄色いわけではありません。
水域や個体差に寄っても腹の色は違います。
イメージ 1
これが腹の黄色い天然ウナギで、主に川の上流域や性流域、つまり淡水域に生息していた鰻です。
「胸黄・ムナギ」とも呼ばれ、ウナギの語源になったという説もありますが、魚を鵜呑みするのが得意な鵜でも、ウナギだけは難儀するので「鵜難儀・ウナンギ」が語源とする説もあります。
それでは、腹が黄色くない天然ウナギの画像を貼っていきましょう。

イメージ 3
完全海水域で釣れたウナギですが、釣り上げた直後は腹は真っ白なパールホワイト
で、真水に入れると数時間で下の画像のように体色は変化します。
イメージ 2

イメージ 4
これも海水域で釣れたウナギで、腹は真っ白です。

イメージ 5
これも海水域ですが、腹はパールホワイトではなく、黒い模様が全体に入り、体色も黒っぽくなっています。

イメージ 6
これは腹の黄色いウナギが生息する上流部で釣れたのですが、黄色くはありませんね。

イメージ 7
これはギンとかクダリと呼ばれるウナギで、いわゆる婚姻色が出た状態です。

天然ウナギの色は、腹であれ背中であれ、水域や個体差、季節や婚姻色によって変化するので、「腹が黄色いのが天然の証し」とは言い切れないことがお解りいただけたと思います。

次回は西と東の焼き方の違いや、それにまつわるウソや誤解について書きますね。