お節の変化

前の記事でも書きましたが、家内はまだ麻痺の残る利き手の左手を上手く使い、この正月もお節を作ってくれました。
私も料理はかなりやりますが、やはり普段の家庭料理やお節料理は家内の味でないとあきません。
そんな我が家の御節ですが、結婚当初は私の母が作ったものを実家から分けてもらうことが何年も続き、徐々にそのレシピを家内が学んで、ある時期からは家内が作って実家に届けるようになりました。
そこに家内のアレンジや私や息子の好みも加わり、少しずつ変化しながら現在に至っているわけです。
基本は関西風の御節ですので、濃い口醤油を使うのは黒豆ぐらいで、他はすべて淡口醤油です。
母が作っていたころ、必ず棒だらが入っていましたが、家内が作るころには重箱からその姿は消えていました。
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関東の人にはなじみのない食材かもしれませんが、関西の御節では定番です。

あと、関西お節の定番としては鯛の子の煮物があります。
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私の大好物で、母から家内へと引き継がれました。

で、静岡に来てから我が家の御節に一大変化がありました。
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そう、この真っ赤な酢だこです。
関西では見たことが無かったので、初めて見た時は「なんじゃ、これっ!?」と少々驚きましたが、外側の真っ赤に対して中は真っ白、この紅白が縁起物として相応しいんでしょうね。
北海道の大味なミズダコを原料としてるので、特に美味いとも思わんけど、色目が華やかなんでお重のメンバーに加わりました。

やはり関西お節で、蛸と言えばこの明石ダコです。イメージ 4
歯触りや味の濃さが段違いです。

あと、数の子も今は塩数の子が一般的ですが、昔ながらの干し数の子の方が歯ごたえが良かったように思います。
何年か前に静岡の塩干屋で「握り子」と呼ばれる数の子を手に入れました。
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これはアラスカやカナダでその年のニシンの抱卵状態を調査するための試験的な漁で獲れた卵を、船上で塩漬けにしたものらしく、極少量だけが流通します。
「曲り子」とも呼ばれるらしく、鮮度の良い卵は塩の浸透圧で曲ってしまうのでこう呼ばれるらしいですが、これは一般的な塩数の子と比べると形も悪く、漂白されていないので、見た目はイマイチですが、かなり美味いです。

我が家の御節も、時代や年齢や住む場所で微妙に変化してきましたが、来年は原点回帰で棒だらを復活させたいと思っています。