惜しまれながら

静岡に来て7年半、その間に何軒か馴染みの店が出来た。
そのうちの二軒が年内をもって閉店することになった。

一軒目は用宗のシラスを販売するY商店。
駿河湾はシラスの漁が盛んで、中でも用宗漁港は有名で、Y商店はこの用宗で70年以上に渡ってシラス加工業を営んできた。
用宗には多くのシラス加工業者が存在し、釜揚げシラスなど、都会のスーパーで売っているものとは比較にならない新鮮さと安さです。
中でも、このY商店の釜揚げシラスは抜きんでており、茹で加減・塩加減・臭みや雑味の無さ・舌触り歯触り・など、正にスキがありません。
漁が有った日でも、親爺さんの気に入るシラスが上がらなければ釜揚げは作らない。
なのでその日は売るものが無い。
これは従業員を抱えた業者には無理なことで、夫婦二人でやってるから拘れる部分です。
用宗に水揚げされるシラスといっても、品質はピンキリらしく、漁師の上手い下手や、網を入れた水域と港との距離、網入れしてから引き上げるまでの時間によって、鮮度が落ちたり魚体が潰れたりと、なかなか親爺さんのメガネに敵う物は上がらず、私も1カ月に一度ぐらいしか口に入りません。
そんなY商店が、近年の不漁や後継者問題、さらに設備の老朽化と、続けていくにはネガティブな条件が重なり、今年いっぱいで店を閉めます。

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左がY商店で、右が他の店の釜揚げシラス。
画像では判りにくいかもしれませんが、艶や粒のそろい方が違います。
食べ比べるとその差は歴然!\(◎o◎)/!

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二年前のうな研全国オフには、我々のたっての願いで、ご夫婦で会場まで出張販売してくれました。
昨日、店から「今年最後の漁でなんとかいいのが上がったから釜揚げ作ったよ。これがいよいよ最後だ」と電話があった。
数量が限定されてたので、いつもの半分の量しか買えなかったけど、「これまで美味いシラスをありがとう。ながいあいだお疲れ様でした。」とお礼を言って帰ってきた。

二軒目は
うちの近所の喫茶店
50年代のアメリカをイメージした店内で、全面喫煙可が今の時代には嬉しい限り。
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客の8割は喫煙者で、顏なじみも多く、良く通いました。
オーナーの女性も実に気さくで、行くと話に花が咲き、ホッと一息つける時間を提供してくれました。
そんなお店でしたが、諸事情により閉店し、来年からは別のオーナーが店を引き継ぎますが、新オーナーの奥さんが大の煙草嫌いで、全面禁煙が決定しており、これで私がこの店に行くことは無くなります。
この雰囲気の店で禁煙はないやろっ!
他の常連の多くも同意見で、店自体が辺鄙な場所にあるにもかかわらず、これまでは喫煙者のパラダイスとして常連で成り立ってたのに、今後は存続できるのかと要らぬ心配をしてしまいます。
ま、どっちゃでもええけど・・・^^;

そんな訳で、今年の年末はどうにもさみしい年末となった次第です。