南京町

1996年1月16日、午後8時ごろに私は神戸南京町を一人で歩いていた。
翌日は阪神淡路大震災から一年。
震災一周年の特番のため、夕方から在阪民放の神戸支局で打ち合わせを行い、終了後にすきっ腹を抱えて南京町までやってきた。
震災一周年前夜の神戸は恐ろしいぐらいに静まり返り、南京町にも元町商店街にも人影はまばら。
春節祭の獅子舞の練習か、太鼓の音だけがどこからか聞えてきて、それが逆に寂しさを増しており、まるで街全体が喪に服しているかのような静寂が辺りを支配していました。
ほとんどの店がシャッターを下ろしている中、まだ開いていた小さな中華料理店で一人で夕食をとりましたが、客は私一人でした。

南京町と言えば、震災当日に現地入りした私にとって、忘れられないことがあります。
震災から何日目だったか、前述の神戸支局に、交通事情で大阪本社からの弁当が届かず、ダメもとで南京町に行ってみると、そこかしこから湯気が上がり、美味そうな匂いが漂っています。

以下の画像はネット上で拾ってきた震災当時の物ですが、恐らく震災から1か月後ぐらいと思われます。
イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3


ライフラインが断たれており、まだ電気も水もガスも無い中、店先に急ごしらえの屋台を作って格安で料理を提供しているのです。
本格的な中華料理を、立ち食いとはいえ、実に良心的な値段で提供していました。
この温かい料理でどれほど多くの人が一息つけたことか。
この在日華僑の人たちに刺激され、周辺の日本人が経営する飲食店も「負けてられん!」となったそうで、私が馴染みにしてたラーメン屋の親爺も「勇気をもらった」と語っておりました。

南京町に関しての詳しいことは
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E4%BA%AC%E7%94%BA_%28%E7%A5%9E%E6%88%B8%29

南京町広場のライブカメラ
http://www.nankinmachi.or.jp/live/

もうすぐ震災から21年を迎える神戸。
今年は17日が丁度日曜日に当たるので、仕事の調整がつけば、3年ぶりに1.17の集いに参加しようと考えています。