うなぎの与太話①

ブロ友の country-gentlemanさんより、土用の丑も近づいてきたことだし、ここらへんで一般の人にも解りやすいように鰻の話題を書いてくれと頼まれました。
不肖ぱらまた、他のことはともかく、こと鰻に関しては下手の横好きながらも多少は知識がありますんで、慎んでご要望にお応えすることにしました。
で、今回は大阪のそこらへんに居るおばはんと、ちょいと鰻に関しての知識を持ったおっさんとの会話形式でいってみたいと思います。



なんや知らんけど、最近鰻がやたら高なったな~ 何年か前まではスーパーで一匹千円以下やったのに・・・
酒の{楽市}なんかやと安い時は一匹300円ほどやったのに、なんでこんな上がったん?

おばはん、お前はテレビのニュースや新聞読んどらんのか? シラスウナギがここ数年連続で不漁やっちゅうとるやろ!
しょおもない韓国ドラマばっかり見てやんと、この辺のニュースも観たらんかい!

シラスウナギてなんなん?

シラスウナギも知らんのかい! 
シラスウナギっちゅうのは鰻の稚魚や。

それが何の関係があるん? 鰻て養殖とちゃうん?

ボケェ! 
12月から4月まで日本各地の河口付近でシラスウナギ漁をやって、この捕獲したシラスウナギを養殖池に入れておっきゅうするんや。
養殖っちゅうても、人工ふ化による完全養殖とちごうて、鰻の場合はこの天然のシラスウナギに頼っとるわけや。

ふ~ん・・・ ほな、なんでそのシラスウナギが減ったん?

そこは諸説あるとこなんやけど、河川環境の悪化や、海流の変化、シラスウナギの乱獲など、色々と言われとる。

ほな、その完全養殖たらにしたらええやんか。

あほか! そんな簡単なもんやないんや、おばはんがダイエットするよりも難しいんや。
もっとも、研究室での実験レベルでなら成功してるんやけど、商業ベースに乗せるにはまだまだコスト面や技術面でクリアせなあかん問題が山積しとるんや。

なんやしらんけど、ややこしい話やな、どないでもええけど、もっと安なってもらわな困るわ。
うちの家族はみんな鰻好きやさかいに。
あ、そういえば回転ずしの「○ら寿司」が598円でうな丼やるらしいで。
安いし、そのうえ四大添加物無添加らしいから安心や♪

あのなあおばはん・・・ そもそもそれがあかんのや
そうやって鰻を安売りして大量消費するようなことを長年続けてきたよってに、資源量が減ってもうたんや。
シラスウナギが減った最大の理由は乱獲やとワイは思うとるんや。
シラスウナギ激減の理由を学者とかいう連中が説明する時に、必ず先に河川環境の悪化をあげるんやけど、

工場廃液や家庭排水を垂れ流してた昭和40年代や50年代に比べたら水質なんかは改善されとるわけやし、実際生き物がおらんかったような川にも魚が戻ってきとる。
どない考えても乱獲が最大原因やと思うんやが、鰻の安売り大量消費で成り立ってる業界の御用学者は、口が裂けても「乱獲」とは最初には言わん。
それとな、その
「○ら寿司」の598円のうな丼、値段からしても国産やないで。
恐らく中国辺りで養殖した鰻や。
となると、
四大添加物無添加っちゅうても、それは合成甘味料や合成保存料を使ってないっちゅうだけで、あくまで調理段階での話や。
養殖の段階でマラカイトグリーンやらなんやらの発がん性物質を大量に養殖池に放り込んどるやもしれん。
現に、中国産の毒鰻や毒餃子、最近では毒ピータンなんかがニュースで話題になってたやろ。

なるほどなあ・・・ 宣伝文句を鵜呑みにしたらあかんなぁ・・・・

どや、韓国ドラマの見過ぎで脳みそコチュジャンになってたけど、ちぃとは賢くなったやろ。

いやぁ~ 勉強になるやんかいさ~  

そもそも
完全養殖が出来ん鰻なんちゅうもんは牛丼屋やスーパーで安売りするような食材やないんや。
そのうえ今年の二月には絶滅危惧種にも指定されたんや。
そんな貴重な生き物をこの期に及んでまだ安売りしよっちゅう会社の企業理念はどないなっとんねん。
鰻なんちゅうもんは年に何回かの贅沢として、ちゃんとした鰻屋で何千円か払って食べるべきもんや。
明治期に鰻の蒲焼き人気によって、需要が増え、養殖が盛んになったんやけど、昭和40年代まではまだシラスウナギも豊富に捕れてたし、鰻は町の鰻屋で食べるもんやったんや。
ところが、昭和50年代ごろから工場で蒲焼に加工した商品が出回りだし、これがスーパーなんかで大量に安売りされたんや。
さらに価格を下げるために、日本の商社が率先して中国に養殖池を作らせ、現地で下の画像みたいにベルトコンベヤで蒲焼に加工するようになったからますます値段は下がっんや。 

イメージ 1    イメージ 2

もちろんそれとともに質も低下したし、それに慣らされた日本人の舌のレベルも低下したっちゅうわけや。
おばはんも騙されたと思って、一度はちゃんとした鰻屋さんでちゃんとした鰻を食ってみたらええ。
二度とスーパーや牛丼屋の鰻には戻れんようなるで。
さらに言うなら、1万円払って天然鰻を食ってみることや。
二度と養殖物には戻れんようなるで。

い、い、い、一万円~\(◎o◎)/!

そや、東京辺りの老舗やったら平気でそれぐらいの値段を取りよるで。
静岡の駿東郡にはそれを5千円ほどで出す良心的な店もあるけど、ただ、そこの大将はキャパ好きで有名なんや。

そやけど、そんなん聞いたら一度はその天然鰻を食べてみたいわ・・・ しゃあけど1万円はちょっとなぁ・・・
そういや、大阪でも天然鰻が釣れるって聞いたことあるけど・・・

その通りや、鰻っちゅう魚はおおよそ水のあるところなら全国どこにでもおるんや。
完全海水域から汽水域、淡水域に至っては川の源流に近いような上流域や、湖沼にもおるんや。
それと勘違いしたらあかんのは、天然なら全て美味いと思ったら大間違いなんや。

へ~ なんでやのん?

鰻は水質の汚染にも強い魚で、かなり汚れた水域にもいてるんや。
そやから天然鰻っちゅうても、その品質はピンキリでな・・・
たとえば鰻の質を10段階に分けたとすると、ある意味工業製品のような養殖鰻は
4~6レベルが市場に流通するから、大きな外れは無いんや。
ところが天然物は、捕れた水域や個体差によって1~10まである。
鰻屋で「天然物」として出されるのは概ね7~8レベルのもんや。
9とか10の超上物となるとめったに入荷せんらしい。
因みに下の画像はぱらまたはんが釣った瀬戸内海と丹後半島の天然鰻の相のせうな重で、まさに釣り師の特権みたいなもんや。

イメージ 3

あとこのURLに鰻のことが詳しく載ってるで。

http://blogs.yahoo.co.jp/kitanotamotu/30784755.html
http://blogs.yahoo.co.jp/kitanotamotu/30812021.html

どや?おばはん、今日はちょっとは勉強になったやろ? しょおもない韓国ドラマに熱あげて、韓流スターに使う金あるんやったら、その金で一度は本物をあじわってみたらええ。

いやぁ~ ほんま勉強になったわ~ 私もいっちょ奮発して天然鰻でスタミナつけてヨン様の追っかけに益々精出すわ♪

あかんわ・・・こら・・・(@_@;)