段ボール箱の中のアメリカ

私がまだ小学校の低学年の頃・・・
そう、東京オリンピックの前後です。
世の中は戦後の香りを残しながらも、右肩上がりの経済成長に沸き、ビートルズやボブディランの登場によって日本の音楽や若者文化も大きく変化しようとしていました。
私自身はまだまだ子供なので、その変化の中心からは少し距離がありましたが、兄が9歳年上なので、兄の聴いているレコードやラジオからの影響は多少あったかと思います。
しかし、庶民の暮らしはまだまだ貧しく、今のように輸入食品や外国製品が手に入るような環境ではありませんでした。
当時は固定レートで、1ドルが360円ですから\(◎o◎)/!
因みに、ラムネが一瓶5円、たこ焼きが6個で10円のころにコーラやファンタは30円ですから・・・
コーラやファンタは国内製造だったと思うのですが、アメリカ本国からの原材料が
髙かったんでしょうね。
その当時私たち子供のお小遣いは1日10円ぐらいが平均だったと記憶していますが、その10円でソース煎餅をかじりながら紙芝居を見て、またあるときは駄菓子屋でガラスの管に入った毒々しい色のゼリーや、舌が真っ赤に染まる粉ジュース、あるいは日向に1週間置いてても腐らない(驚)わらびもちモドキなんかが子供のおやつでした。
今思うととんでもないぐらいの防腐剤や合成着色料&甘味料なんでしょうね・・・(T_T)/~~~

そんなころ、ある日学校から帰ると段ボールの小包が届いていました。
箱には外国の切手がどっさりと貼られており、母が言うには「沖縄のおばちゃんから届いたんや」とのこと。
沖縄がどこにあるのか、またどんなところなのかを知る由もない年齢ですが、箱を開ける前から妙にワクワクしたのを憶えています。
そしてその段ボールを開けてみると・・・
そこからは何とも言えないような、そしてこれまでに嗅いだことのないような甘くて強い香りがしました。
中から姿を現したのはの画像にあるようなものでした。

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それまで見たことも無いようなお菓子や食品に私は驚き、そして大喜びしました。
このようなものは、白黒テレビで見るアメリカのホームドラマの中にだけ存在するもので、まさかそれが目の前に、それも大量に登場するとは・・・\(◎o◎)/!
沖縄のおばちゃんとは母の妹で、ご主人は米軍基地に通訳として勤務しているため、基地のPXでこのようなものを安く購入できるようです。
家族の中でただ一人、フィリピンで捕虜生活を経験した父は「あ~ 収容所でこんなのをよく食わされたな」と申しておりましたが、とにもかくにも私にとっては初めて見る珍しいものばかりでした。
それから以降、このアメリカの香りが充満した段ボールは定期的に送られてくるようになったのですが、今から思えばこの段ボール箱が私が初めて触れたアメリカでした。


柳ジョージ /// フェンスの向こうのアメリカ /// LIVE

※追記 12月19日リリース! THE LAST TUNE ~『LIVE AT BUDOKAN』完全盤
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